2024年12月度【トライオートレポート】

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12月の振り返り
米ドル/円は149.58円で12月を迎えました。3日、韓国の尹大統領が戒厳令を宣言したことで、リスク回避の動きから円が買われ、米ドル/円は12月安値となる148.6円台まで下落しました。9日には中国で2025年の財政及び金融政策についての会議が開催され、積極的な財政政策と緩和的な金融政策への方針転換が示された影響で、リスクオンの円売りが生じ、米ドル/円は上昇。また19日の日銀金融政策決定会合では、追加利上げの見送りが決定したことで円売りにさらなる拍車がかかり、12月後半には一時158円まで円安が進行しました。為替介入が再び警戒視される水準まで円安が進んだ12月の為替相場でしたが、トライオートのリピート取引ではどの通貨ペアが収益を獲得することができたのでしょうか。
12月の1万通貨あたり収益ランキング
トランプ効果継続でドルストレートの取引が活発化

こちらは自動売買取引によるお客様の収益額※を取引量で割り、1万通貨あたりの収益額をランキング形式に集計したものです。
トランプ効果で高ボラティリティが継続しているドルストレート(米ドル絡みの通貨ペア)が上位にランクインしました。米ドル/スイスフランは12月のドル高により、0.9台へ価格上昇しており、2010年9月から続く長期レンジ中央へ価格を回帰させる値動きとなりました。トランプ効果による高ボラティリティで、10月から取引量も取引回数も増加が続いている米ドル/スイスフランは、今後も注目の通貨ペアです。
※収益額は期間中の収益合計でロスカット執行および手動決済の損失を除く。
12月の移動距離(日足,pips)と高低差
レンジを維持したユーロ/英ポンドが1位にランクイン

トライオートでは、レンジ相場で上下に値動きを繰り返す通貨ペアを選ぶことで評価損を抑えながら、利益を積み上げていく運用が期待できます。「ポイント」は当月の「移動距離※」を「高低差(高値-安値)」で割ったもので、高いほどレンジ戦略が機能した通貨ペアといえます。
ユーロ/英ポンドが1位にランクインしました。レンジ下抜けの警戒が高まるユーロ/英ポンドですが、12月は下落材料の1つである欧州の利下げが実施されたものの、過去8年間で強い反発を見せてきた0.83近辺のサポートが強く、12月もレンジ下値圏で値動きが継続しました。対円通貨は、NZドル/円、豪ドル/円、カナダドル/円がランクイン。トランプ氏の関税発言で弱含みが続く3通貨は、日銀の利上げ見送りによる円安相場でもレンジ相場を形成し、上位のランクインとなりました。
※移動距離=(高値-始値)+(高値-安値)+(終値-安値)
セレクトパフォーマンス
セレクトの中から直近3カ月で、収益率が最も高いルールを紹介します。実際にどのルールが高い収益を獲得したのか確認しましょう。
ランキングは2024年12月31日時点で提供しているルールが対象となります。
集計期間:2024年10月1日~2024年12月31日
集計時刻は朝7時となります。稼働されていないセレクトは集計から除外しています。
収益率 =(終了日の損益 – 開始日の損益)÷ 開始日の推奨証拠金
「期間損益」は集計期間におけるセレクトを1セット稼働した場合の「実現損益」と「評価損益」の合計となります。
「推奨証拠金」は、自動売買セレクトを利用する際の目安の金額となります。
※収益率は過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円



「山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円」が6ヶ月連続で全体1位となりました。こちらのセレクトはストラテジスト山中康司氏の為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したルールになります。
3か月間の高低差は、高値111.521、安値105.809で571pipsです。
10月から12月は、一時的に売りサブレンジ帯で推移したものの、ほぼ全ての期間をコアレンジ帯で推移しており、12月は全期間をコアレンジ帯で推移しました。12月19日には、日銀金融政策決定会合で利上げが見送られたことによる円売りが生じ、買い建玉の決済機会に繋がったことで収益を大きく伸ばす結果となりました。

ロジックの解説記事はこちら
ロジックの解説動画はこちら
山中康司氏のXはこちら
おわりに
12月はトランプ効果によるドル高が継続し、一部のドルストレートでは取引の増加が確認できました。トランプ氏の大統領就任は1月20日となっており、1月の為替相場もトランプ氏の影響を強く受けることが予想されます。植田日銀総裁は、追加利上げの方針と時期について、賃上げ動向を確認したうえで見極めたいと発言しており、円相場が160円に迫るなかでも慎重姿勢を示しています。2024年は160円台で介入が実施されており、介入水準が近付いている対円通貨の運用には、より一層の注意が必要となるでしょう。