トライオートFX 2022年11月度セレクト月間レポート

※本レポートの対象は2022年11月30日時点で提供しているストラテジーが対象となります。
11月の振り返り
11月のドル円は148円台から始まりました。
年初から行われていたインフレ抑制のための金利上昇が消費者物価指数(CPI)の予想以上の伸び率鈍化と長期金利の急低下により、先行きが見え始めドル円相場は大幅下落しました。
また、CPIと同じくインフレの重要な指標として注目されている生産者物価指数(PPI)も、予想を下回る結果となったことからドル円はさらに下落しました。こうした指標の結果から示唆されるインフレ鈍化期待による利上げペースの大幅な減速期待に対して、FRB関係者の発言では、さらなる利上げや利上げ着地点の引き上げなどの強気な発言が目立ちました。
今月のセレクト収益ランキングTOP5
このような相場でどのようなルールが収益を生んだのか、確認しましょう。
ランキングは期間収益率の増加順に集計しており、計算式は以下のようになります。
※「損益」は集計期間におけるセレクトを1セット稼働した場合の「実現損益」と「評価損益」の合計となります。
※「推奨証拠金」は、自動売買セレクトを利用する際の目安の金額となります。
期間収益率 =(終了日の損益 – 開始日の損益)÷ 開始日の推奨証拠金
開始日:2022年11月1日
終了日:2022年11月30日
集計時間は朝7時になります。
※注文の価格帯と現在価格に乖離しているセレクトは除いています。
11月は多くのセレクトで非常に高いパフォーマンスを発揮しました。
特に期間収益率の上位5銘柄は、どれも40%以上の期間収益率となっています。また、期間収益率が1位のセレクトは52%と非常に優れた結果を出していました。
11月の収益率TOP5
名前 | 期間収益率 | 総合損益(円) | 推奨証拠金(円) | |
山中康司監修_コアレンジャー_米ドル/円 | 52% | 585,998 | 1,124,874 | |
江守哲監修_コアレンジャー_米ドル/円 | 49% | 947,614 | 1,936,795 | |
奥村尚監修_コアレンジャー_米ドル/円 | 45% | 319,804 | 704,547 | |
ハーフ_豪ドル/NZドル | 41% | 161,988 | 391,738 | |
為替研究所_コアレンジャー改_豪ドル/NZドル | 40% | 490,102 | 1237016.8 |
※期間収益率は過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
また、上記の収益率TOP5のセレクトを構成している通貨ペアの変動幅は以下のようになっています。
11月の変動率
通貨ペア | 1ヶ月変動率 | 総移動距離(日足)(pips) | |
NZD/USD | 8.4% | 5,219 | |
USD/JPY | -7.2% | 8,142 | |
CAD/JPY | -5.8% | 4,984 |
※期間収益率は過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
※総移動距離は次の3つの数字の合計になります。
①日足の始値から高値
②日足の高値から安値
③日足の安値から終値
ストラテジスト 米ドル/円の比較
収益率が1位の山中氏の設定は、レンジ幅を20円近く広く設定しています。
またコアレンジでは利確幅を比較的小さく設定し、サブレンジを小さく設定しています。
コアレンジ帯の利確幅を小さく設定することで実現損益を積み重ねやすくなります。
対して、奥村氏の設定はコアレンジ帯の利確幅を60pipsと広く設定し、サブレンジ帯では30pipsと狭く設定しています。
この設定は決済機会こそ減少するものの、注文本数を少なく設定することができ、結果として、証拠金を抑えられています。
このように、同じ銘柄でも、設定値によって戦略が異なっていることが分かります。
ストラテジストの収益率と設定値
ストラテジスト | 収益率 | 注文本数 | コアレンジ利確幅(pips) | サブレンジ利確幅(pips) | |
山中氏 | 52% | 68 | 30 | 66 | |
江守氏 | 49% | 94 | 25 | 75 | |
奥村氏 | 45% | 50 | 60 | 30 |
ストラテジストのレンジの設定
レンジ | 山中氏 | 江守氏 | 奥村氏 |
サブレンジ上限 | 147.45 | 144.50 | 146.25 |
コアレンジ上限 | 140.95 | 140.00 | 144.45 |
コアレンジ下限 | 134.05 | 130.00 | 138.15 |
サブレンジ下限 | 127.55 | 125.50 | 136.35 |
セレクトパフォーマンスTop5
1位 山中康司監修_コアレンジャー_米ドル/円👍👍👍
こちらのロジックはストラテジストの山中康司氏が2023年3月までの為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したロジックになります。
このロジックはレンジが147.45円~127.55円に設定されています。11月全体のドル円は148円台から137円台へと推移しており、肩下がりのチャートを描きました。
サブレンジ帯の外れからコアレンジ帯の中心へと推移しており、サブレンジ帯とコアレンジ帯の売買によって高い収益率となりました。
また、11日に発表されたCPIはインフレ速度の鈍化が観測できたことから、
これまで以上にドル売りが加速され、一方向に大きく動きました。
ロジックの解説記事はこちら

2位 江守哲監修_コアレンジャー_米ドル/円 👍👍👍
こちらのロジックはストラテジストの江守哲氏が2023年3月までの為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したロジックになります。
このロジックはレンジが144.50円~125.50円に設定されています。
1位の山中氏のロジックと比較すると、注文本数が94本と多くなっています。
そのため、未決済建玉が多くなり、収益率がわずかに劣ってしまいました。
ロジックの解説記事はこちら

3位 奥村尚監修_コアレンジャー_米ドル/円👍👍👍
こちらのロジックはストラテジストの奥村尚氏が2023年3月までの為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したロジックになります。
このロジックはレンジが146.25円~136.35円に設定されています。
山中氏や江守氏のロジックと比較するとレンジ帯が狭く設定されているのが特徴となっています。
11月の相場は非常にボラティリティが大きく、10円以上の値動きがありました。そのため、狭いレンジ幅が狭いこちらのロジックでは早々にレンジアウトしてしまい、他の2つのロジックと比べると収益率が劣ってしまいました。
ロジックの解説記事はこちら

4位 ハーフ_カナダドル/円👍👍👍
ハーフの売買ロジックは、想定レンジの中心より下側で「買い」、上側で「売り」の新規注文を行うようにデザインされています。
11月のカナダドル/円は下落トレンドを形成していました。
チャートから分かる通り、売り注文のみの範囲を下方向に推移していったため、含み損を抱えずに実現損益を積み重ねていくことができました。

5位 コアレンジャー_NZドル/米ドル👍👍👍
コアレンジャーのロジックは、売り注文と買い注文を繰り返すコアレンジと、売り注文、買い注文のみのサブレンジによって形成されているロジックになります。11月のNZドル/米ドルは上昇トレンドを形成し、一方行に動きました。変動幅は571pipsでしたが、サブレンジからコアレンジへの戻りの際に取引回数が多くなったことで収益率が大きくなりました。

※収益率の状況により下記のように分類しています。
収益率25%以上 👍👍👍
収益率15%以上 25%未満 👍👍
収益率15%未満 👍
11月まとめ
11月はドル/円のボラティリティが非常に大きい月でした。最大で1,000pips以上も上下したため、取引回数が多くなりました。そのため、実現損益が積み重なり、収益率が非常に高くなりました。
また、経済指標などのデータからはインフレ鈍化が確認できたこともあり、年初から続いていた一方的なドル高から反転し、ドル安地合いに転じました。
また、FRBは金融引き締めの最終到達点を議論し始め、来年序盤には利上げの停止が視野に入れられています。こうした状況で、日本は引き続き金融緩和を継続していく姿勢を見せており、来年以降も、日本と海外の金融政策の違いが焦点になりそうです。
トライオートでは、定期的にセレクトの内容をアップデートしています。
なお、既に注文されている設定についてはご自身で定期的に確認していく必要がございます。
また、高いボラティリティ相場でセレクトを稼働する際は、それぞれのロジックの特性を理解するだけではなく、口座の資金状況に気を付けて運用することが大切です。
そこで今年リニューアルされたバランスメーターが口座管理に活用いただけます。
ぜひご覧ください。