
■雇用統計
10月7日(金)に雇用統計が発表されました。まず非農業部門雇用者数は26万3千人でした。

上のチャートからもわかるように雇用は未だ強いもののペースは鈍化しています。
次に失業率は3.5%でした。

平均時給は+10¢でした。

これらの一連のデータからは米国の雇用は未だ強いけれどその勢いは少し衰えている様子が伝わってきます。
■発表を受けて市場の期待はどうなった?
今回の一連の数字は依然として米国の雇用市場が強いことを示唆していたので次の11月2日の連邦公開市場委員会でも連邦準備制度理事会(FRB)はここ3回続けてきた0.75%の利上げ幅を堅持し、政策金利を3.75%~4.00%へ持ってゆくと考えるトレーダーたちが過半数を占めています。

その次、今年最後のFOMCは12月14日ですが、こちらの利上げは0.50%が予想されています。

さらにその次のFOMCである2023年2月1日では利上げ幅は更に0.25%へと鈍化すると見られています。

この2月1日の利上げをもって今回の利上げサイクルは終了となり、そこから政策金利は4.5%のまま当分横這いで推移すると見られています。
12月のFOMCから利上げ幅が縮小するということは早ければ11月2日のFOMC記者会見でほのめかされる可能性があります。もしそうなれば市場はこれを好感すると思います。
■まとめ
先週発表された9月の雇用統計は雇用市場が引き続きしっかりしていることを確認する内容でした。しかしペース自体は鈍化しており概ねFRBの意図する軟着陸の演出の方向で物事が進んでいると評価できます。
これに安心したFRBは12月のFOMCから利上げ幅の縮小を行う公算が高いです。
市場はそれを歓迎すると思います。