
FXの自動売買は、あらかじめ設定したルールに基づき機械が注文や決済を行う取引手法です。忙しい人でもチャンスを逃しにくく、感情的ミスを減らせます。相場の急変や手数料コストなどの注意点はあるものの、初心者にも始めやすく、効率的なトレードが期待できるでしょう。さらに平日・祝日も含めた長時間のチャンスを活かせる点も魅力です。本記事では、自動売買の仕組みやメリット・デメリット、利益を出すコツなどについて解説しています。
FXの自動売買とは
FXの自動売買(システムトレード)とは、あらかじめ設定したトレードルールに基づいて、機械が自動で注文や決済を行う手法です。人が常に監視していなくても取引チャンスを逃しづらく、感情的なミスを減らせるため、平日と祝日にかけてほぼ24時間取引が可能なFXでも、負担を抑えつつ効率的な運用が可能です。
相場の変化に応じて調整は必要ですが、忙しい人や初心者にも向いています。
自動売買の基本概念と仕組み
FXの自動売買とは、FXにおける新規の注文や決済を、機械を使って自動的に行うことを指します。
通常のFX取引では、まずパソコンやスマートフォンを立ち上げてFX取引画面を開き、タイミングを見計らいながら新規の注文や決済を行います。
たとえば、相場を見て「米ドル/円で1ドル130円になったら新規注文、131円になったら決済注文をしたい」と考えた場合、裁量トレードでは、その価格になるまで常に画面を確認していなければなりません。
IFD注文を使う方法もありますが、同じ価格帯を何度も行き来している場合には、そのたびにIFD注文の設定が必要です。
しかし、自動売買を利用すれば、あらかじめ指定した為替レートに達した際に新規注文や決済を自動的かつ継続的に行うことができます。さらに自動売買を設定しておけば、パソコンやスマートフォンを立ち上げる必要もありません。
FXは平日と祝日のほぼ24時間いつでも取引が可能ですが、ずっと取引画面を見続けるのは難しいでしょう。一方、自動売買であれば眠くなったり疲れたりすることもなく、設定したトレードルールに従って常にトレードチャンスを狙い続けます。
自動売買と裁量取引の違い
FXにおける新規注文や決済を機械で自動的に行うのが自動売買、手動で行うのが裁量トレードです。自動売買は、あらかじめ設定したトレードルールに従って機械が取引を行うため、取引画面に常に張り付く必要がありません。また、人の感情を介在させない点も特徴です。
一方、裁量トレードは、チャートを確認しながら手動で取引を行うため、相場変動に合わせて柔軟に戦略を変更できます。しかし、取引に感情が入りやすい、体力的にも相場を見続ける時間に限りがあるなどのデメリットがあります。
比較項目 | 自動売買(システムトレード) | 裁量取引 |
取引方法 | 機械が一定のルールに従って自動的に取引 | 人間が手動で取引 |
必要な時間 | 設定後は最小限(定期的な確認のみ) | 常に取引画面をチェックする必要あり |
感情の影響 | 機械的に取引するため感情に左右されない | 恐怖や欲などの感情に左右されやすい |
専門知識 | 基本的な知識があれば運用可能 | ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析の知識が必要 |
トレード時間 | 24時間取引機会を逃さない | 取引時間に制約あり(睡眠中や仕事中は不可) |
柔軟性 | 相場急変時の臨機応変な対応が難しい | 状況に応じた柔軟な対応が可能 |
向いている人 | 忙しい人、感情に左右されやすい人 | 相場分析が得意な人、柔軟な判断ができる人 |
リスク管理 | システムに依存(設定次第) | トレーダー自身の判断に依存 |
自動売買システムの種類
自動売買の仕組みを総称して「自動売買システム」と呼び、その種類には「開発型システムトレード」と「選択型システムトレード」の2つがあります。
開発型システムトレードは、独自の売買ロジック(トレード戦略)を開発し、プログラミングによって自動売買を行う方法です。自身で考案した売買ロジックやアイデアを自動売買システムに落とし込み、柔軟に運用できる点が特徴です。反面、高度なプログラミングスキルとFXの知識が必要となるため、主にFX上級者に向けと言えます。
選択型システムトレードは、FX業者が提供している既存のトレードルールのなかから、成績や自身の考え方にあったものを選ぶ方法です。自ら売買ロジックを考えたりプログラミング行ったりする必要がないため、初心者でも始めやすい点が特徴です。ただし、細かいカスタマイズは難しい場合が多いというデメリットもあります。
種類 | メリット | デメリット |
開発型 | ・売買ロジックを自由に変更可能 ・オリジナルの戦略を実装できる ・細かな調整が可能 |
・設定が複雑 ・プログラミングの知識が必要 ・費用が高くなる場合がある |
選択型 | ・設定が簡単 ・専門知識が不要 ・すぐに取引を開始できる |
・売買ロジックの変更が不可 ・戦略の自由度が低い ・相場環境に合わせた柔軟な対応が難しい |
自動売買システムは、プログラムの種類によって「プログラム型」「リピート型」「トレーダー型」の3つに分類することもできます。
プログラム型は、独自の売買ロジックをプログラム化した自動売買システムです。売買ロジックが公開されているものもあれば、独自開発のため公表されていない場合もあります。決められたトレードルール以外の取引は行わないため、一貫性のある取引が可能です。ただし、市場の状況が大きく変化した際は対応が難しく、相場環境の変化に弱い傾向があります。
リピート型は、一定の価格帯の範囲内で、売買を繰り返す自動売買プログラムです。相場の7割程度がレンジ相場と言われており、そうしたレンジ相場を常に監視して自動売買を繰り返します。ただし、急なトレンド転換が起きた場合には対応が遅れやすいというデメリットがあります。
トレーダー型は、実際にトレードしている個人投資家の売買をもとに、売買シグナルを生成する自動売買システムです。運用成績の良い投資家と同様のトレードを行えるため、初心者でも上級者に近い成果を狙えます。ただし、上級者でも損失を抱えるリスクがあるため、過信は禁物です。また、投資家が急に取引を停止するリスクも考慮する必要があります。
プログラム種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
プログラム型 | 特定の売買ロジックをプログラム化したもの | ・一貫したルールで取引できる ・感情に左右されない |
・相場環境の変化に弱い ・プログラム自体の見直しが必要 |
リピート型 | 一定の価格帯で繰り返し売買するプログラム | ・レンジ相場に強い ・スワップポイントも狙える |
・トレンド発生時に不利 ・急激な相場変動に弱い |
トレーダー型 | 実際のトレーダーの売買をもとに自動売買するタイプ | ・上級者の取引を再現できる ・相場変化に対応可能 |
・トレーダーが不振になるリスク ・取引停止のリスクがある |
FX自動売買のメリット・デメリット
FX自動売買は、メリット・デメリットがあります。始める前に確認しておきましょう。以下、FX自動売買のメリットとデメリット、向いている人の特徴について解説します。
FX自動売買の主なメリット
FX自動売買は取引画面に常に張り付いている必要がなく、日本時間の深夜帯も含めたほぼ24時間、取引チャンスを逃しません。
また機械的な判断で一貫性のある売買が可能なうえ、ルールの検証や複数通貨ペアによる分散投資も手軽に行えます。そのため、初心者や忙しい人でも効率的にリスク管理しながらトレードを続けられます。
時間的な制約がない
FX自動売買を使ったトレードは取引画面に張り付く必要がなく、時間を有効活用できるメリットがあります。人が相場を常に監視していなくても、あらかじめ設定したルールに基づいて機械が注文や決済を繰り返してくれるため、仕事中や家事の合間など、チャートを見られない状況でも運用ができます。
さらに、日本時間の深夜帯に活発化する欧米市場の動きも逃さずキャッチできるのは大きな利点です。一般的に、FX市場は日本の夜から早朝にかけて大きく変動しやすいといわれていますが、自動売買なら寝ている間でもトレードチャンスを追いかけられます。このように自動売買は、仕事や家事など、忙しい人でも取引を行える手段として有効です。
一定のルールで安定的に取引できる
FX自動売買は、機械的な判断で売買を行うため、一貫性のある取引が実現しやすいメリットがあります。人の感情や迷いが入りにくく、目先の相場変動に惑わされずに淡々と注文を出せます。
また、ルールが明確化されている分、取引の精度を高めやすい点もメリットといえます。
たとえば、テクニカル指標やチャートパターンなどを組み合わせた自動売買プログラムを用意すれば、同じ条件下であれば誰が使ってもほぼ同じ結果を得られます。
これは再現性の高さを意味し、過去の相場データを使ったバックテストやフォワードテスト※で検証することで、戦略の有効性を客観的に評価することが可能です。
※バックテストとは過去の為替レートをテストデータとして、トレードルールの有効性やパフォーマンスを検証する方法です。フォワードテストとは、現在から将来にかけての実際に相場で、トレードルールに基づいたトレードを行い、有効性を検証する方法を指します。
複数の通貨ペアを同時運用できる
裁量トレードでは、異なる通貨ペアの動きを常にチェックしながらタイミングを逃さず売買するのは容易ではありません。しかし、自動売買システムを利用すれば、取引画面を常に監視する負担が軽減されるため、複数の通貨ペアで同時に取引しやすくなります。
また、FXを含む投資でリスクを抑える方法として分散投資が有効ですが、裁量トレードで分散投資をしようとすると、管理が煩雑になりがちです。
一方、自動売買なら投資家の負担を軽減できるため、FX初心者でも複数の通貨ペアを使った分散投資を行いやすくなります。
さらに、分散投資は特定の通貨ペアが不利な相場状況になっても、他の通貨ペアで利益を得られれば損益の振れ幅を抑えられる可能性がある点もメリットと言えます。
FX自動売買のデメリット
FX自動売買には、急激な相場変動への対応不足や、過去データへの過度な依存によるロジック破綻、スプレッドやシステム手数料などのコスト負担、サーバーダウンなどの障害リスクといったデメリットがあります。
以下、FX自動売買のデメリットについて詳しく解説します。
予想外の相場変動に対応できない
FX自動売買は、想定外のニュースや指標発表といった突発的なイベントに対応しづらいというデメリットがあります。
たとえば、要人の急な発言や大きな経済指標の発表などで相場が一瞬で大きく変動すると、設定していた注文条件や損切りラインを大きく飛び越えてしまう可能性が高まります。こうした急激な相場変動時には、自動売買が十分に機能せず、損失を被るリスクがあるため注意が必要です。
緊急時に臨機応変な判断を下せるのは人間の強みです。相場が大きく動きそうなニュースや指標発表のスケジュールを把握し、重大なイベント前後はシステムの稼働を一時停止したりするなど、人間の判断によるサポートが欠かせません。自動売買を稼働させたまま完全に放置するのは避けましょう。
過去の相場データに依存する
FX自動売買では、売買ロジックの構築や検証の際に過去の相場データを用いるため、最適化された戦略が必ずしも将来の相場でも同様に機能するとは限りません。
さらに、人間の既存の固定観念や先入観に左右される、いわゆるデータマイニングバイアスがかかっていた場合、開発した売買ロジックや検証結果が意味を持たなくなるおそれがあります。
運用コストが発生する
FX自動売買は、スプレッドやシステム手数料などのコストがかかります。
スプレッドとは、売値と買値の差のことで、取引を行うたびに必ず負担する取引コストです。特に頻繁に売買を繰り返すプログラムを利用する場合、スプレッドが積み重なり、コスト負担が大きくなりがちです。
また、自動売買システムによっては、ソフトの購入代金やプログラム利用料がかかるケースもあります。こうしたコストは、トレードの利益に影響するため、事前に確認しておきましょう。
システム障害のリスクがある
FX自動売買は機械的に取引が行えるため便利な反面、サーバーダウンやインターネット障害などのシステム障害リスクがあります。
自動売買プログラムは通常、専用のサーバーや自身のパソコンで稼働させるため、サーバー側で障害が起こったり、トレーダー側のパソコンが停止したりすると、注文の発注や決済が正常に行われなくなる可能性があります。こうした状況が長引くと、相場変動に対応できず予期しない損失を被るリスクが高まるでしょう。
また、電源やインターネット接続が不安定な環境で運用していると、システムトラブルが起きた際に迅速な対応が難しくなりかねません。
対策としては、VPS(仮想専用サーバー)を利用して安定稼働を確保したり、万一の停電やネット回線トラブルに備えて別回線を用意したりするといった工夫が有効です。さらに、予備のパソコンを用意するなど、技術的な障害へのバックアップ体制を整えておくことも、リスクを軽減するうえで重要です。
自動売買が向いている人の特徴
FX自動売買は、FXの取引画面を見なくても自動的に取引が行われるため、仕事や家事で忙しく、十分にトレード時間を確保できない人に向いています。
また、あらかじめ設定されたトレードルールを選ぶだけで始められるシステムもあり、FX業者によっては上級者と同様のトレードを再現できる場合もあります。
さらに、自動売買は機械的に取引をするため、「含み益が出たがもっと利益を狙いたい」「含み損が出ているが反転を期待して保有し続けたい」といった、初心者にありがちな感情的トレードを減らすことが可能です。そのため、自動売買はFX初心者に向いている運用方法と言えます。
一方で、「自動で楽をして大金を稼ぎたい」と考えている人には、自動売買はあまり向いていません。自動売買は相場の急変に対処することが難しい場合があり、市場動向を注視し、大きなトレンド転換があった際には柔軟に運用方針を変える必要があります。
また、自動売買は分散投資によって投資リスクを抑えられますが、余剰資金が少ない場合は複数のポジションを保有できないため十分な分散が難しく、リスク軽減の効果が薄れてしまうことがある点に注意しましょう。
自動売買を選ぶ際は、自身の手元資金やトレードスタイルにあった自動売買プログラムを選ぶことが大切です。
FXの自動売買で失敗する危険性
FX自動売買は、完全放置や高レバレッジによる大損のリスク、詐欺まがいのツールに惑わされる危険、そして資金管理の不備から生じる損失など、さまざまなリスクがあることも理解して始めることが大切です。以下、FX自動売買のリスクと対策について解説します。
関連記事:FXのEA(自動売買システム)は危険?大損する原因や成功のコツを解説
大損するリスクと原因
FX自動売買による大損リスクと、その具体的な対処法を以下の表にまとめました。
リスク | 大損につながる可能性がある原因 | 対策 |
自動売買を稼働して完全放置している | ・経済指標の発表を機に、相場が急変する ・プログラムエラーが発生する ・FX会社のサーバー障害が起こる |
・重要な経済指標の発表日程を事前に把握する ・完全に放置せず、定期的に取引状況を確認する |
高いレバレッジでの取引 | ・少しの値動きで含み損が膨らみやすい ・ロスカットが発動した |
・レバレッジを高くし過ぎない ・十分な証拠金をFX口座に入れておく |
裁量トレードを組み入れる | 感情的なトレードが入り込み、自動売買の効果が低下する | 自動売買の見直しを行う場合を除き、運用期間中は裁量トレードを極力避ける |
損切ラインを誤って設定する | ・損切ラインが浅すぎると、頻繁に損切が発生する ・損切ラインが深すぎると、含み損が大きくなりやすい |
現在の証拠金などを考慮し、適切な損切ラインを設定する |
ギリギリの証拠金で取引をする | ロスカットが発動しやすくなる | ・FX口座に十分な証拠金を入れる ・証拠金維持率を高く保つ ・高レバレッジの取引を避ける |
詐欺まがいのツールに注意
FX自動売買ツールのなかには、高価な割に機能が不十分、成績報告に根拠がないなど、詐欺まがいのものも存在します。
たとえば「必ず稼げる」「100%勝てる」など、利益を確約するような誇大広告をうたうツールや、販売者の連絡先や運用の検証データが不透明なものには特に注意が必要です。
また、返金保証が記載されていても、実際は条件が厳しく、ほとんど適用されないものもあります。
こうした詐欺まがいのツールを購入してしまうリスクを避けるには、ツールに関する情報を複数のサイトや口コミを照合し、評判や実績を慎重に確認しましょう。
販売元や開発者の経歴、運用成績の裏付けデータがしっかり公開されているかどうかも重要なポイントです。
資金管理の重要性
自動売買では、取引画面を見ていなくても売買が行われます。しかし、その間に相場が急変すると、ロスカットが発動して大きな損失につながる可能性があります。ロスカットとは、証拠金維持率がFX会社の定める水準を下回った際に、すべてのポジションが強制決済される仕組みです。
証拠金維持率は「有効証拠金÷必要証拠金×100」で計算され、ロスカットを避けるには少なくとも200%以上を保つようにしましょう。証拠金維持率は、FXの取引画面に表示されるため、下回りそうなときは追加で証拠金をFX口座に入金する、含み損のあるポジションを早めに決済するなどの対策を取ることが大切です。
また、FXは余剰資金で行うことが大切です。生活資金を充ててしまうと、仮に損失が発生した場合に家賃や光熱費などの支払いが難しくなる恐れがあります。
初心者が現実的に利益を出すためのコツ
自動売買でトレードをする際も、FXの基本ルールやテクニカル指標、リスク管理などの知識は欠かせません。
長期的な視点で運用し、損切ラインを決めてリスクを抑えることが重要です。実績あるツールを選び、収益率や最大ドローダウンなどを比較検討したうえで、定期的に見直しを行いましょう。
また、書籍や動画、セミナーなどを活用してトレードの仕組みを学び、知識を深めていけば、利益向上につながる可能性があります。
必要なFX知識と学習方法
自動売買を利用する場合でも、FX取引を行ううえでは、FXの仕組みや専門用語、チャートの見方、テクニカル指標などの必要最低限の知識を身に付ける必要があります。
【最低限身に付けておきたい知識の一例】
- FX取引の基本ルール
通貨ペア、証拠金、スプレッド、ロスカットなど、取引に関わる重要な仕組みを理解します。 - 主要なテクニカル指標とその役割
移動平均線、ボリンジャーバンド、MACD、RSIなどの基本的なテクニカル指標や、これらの指標を組み合わせた分析方法を学びます。 - リスク管理・資金管理の基礎
損切りルールの設定、証拠金維持率の計算方法、レバレッジの仕組み、ロスカットの仕組みなどを正しく理解し、リスクコントロールに役立てます。 - ニュースや経済指標への理解
FOMCや米雇用統計、米CPIなど重要な指標の概要や、市場への影響度、発表日程などを把握します。
学習方法は、書籍・インターネット・動画などさまざまな手段がありますが、まずは体系的に整理されている書籍を使って基礎を固めるのがおすすめです。
基礎知識を一通り身に付けたら、自分に足りない部分をインターネットで深掘りしましょう。チャート分析については、画像だけでは理解が難しい場合があるため、動画による解説を活用すると効果的です。
また、FX業者によっては、動画形式でFXに関するセミナーを提供している場合があります。アナリストによる経済指標予測や、指標発表後の相場展開などを学ぶ機会にもなるため、積極的に活用してみると良いでしょう。
長期運用の考え方
自動売買の売買ロジックは、過去のデータや統計をもとに組み立てられているケースが多いため、相場の短期的な変動だけで評価をすると、売買ロジックの優位性を見極める前に運用をやめてしまう可能性があります。したがって、短期的に大きな利益を狙うのではなく、長期的な視点で運用を続けることが大切です。
また、自動売買は「放っておいても稼いでくれる」仕組みではありません。市場環境は常に変化し、各国の政策金利や地政学リスクなどの要因で想定外の値動きが起こると、売買ロジックがうまく機能しなくなる場合があります。さらに、FX業者のサーバー障害など予期しないトラブルも考えられるため、自動売買の定期的な点検、見直しが重要です。
急なトレンド変化が起きのリスクを抑えるには、あらかじめ損切ラインを設定しておきましょう。相場が急変する前に万が一のシナリオを想定し、損切りラインを明確に決めておくことが望ましいです。
運用額については、必ず余剰資金で行うようにしてください。最悪の場合でも生活に大きな支障がない範囲で資金を用意するのが理想的です。
また、自動売買システムの推奨証拠金や、収益率、最大ドローダウンを把握したうえで、自身の許容度にあったポジション数を設定し、資金を適切に守りながらコツコツと利益を積み重ねられる環境を整えましょう。
実績あるツール選びのポイント
FX自動売買ツールのなかには、詐欺まがいのプログラムも存在するため、信頼できる実績を持つツールを選ぶことが重要です。選ぶ際の主なポイントは以下の通りです。
- 収益率
一定期間でどれくらいの利益を出したかを示す数値です。ただし、収益率が高くても過剰なリスクをとっている場合もあるため、他の指標と組み合わせて判断をします。 - 勝率
トレードのうち、勝ちトレード(利益が出たトレード)の割合かを示す数値です。勝率が高くても、一度の負けトレード(損失が出たトレード)で大きく資産を減らす場合もあるため、勝率のみでの判断は避けましょう。 - 最大ドローダウン
保有資産が最大どの程度まで落ち込んだかを示す指標です。最大ドローダウンが大きいツールほど、一時的に資産が大きく減るリスクが高いと言えます。
また、バックテストやフォワードテストを完了しているツールは、売買ロジックやプログラムの有効性を客観的に確認しているため、信頼性が高いと考えられます。
加えて、市場環境は常に変化するため、ツールも定期的なアップロードが欠かせません。信頼性が高いプロバイダーや開発者のツールであれば、バグ修正や売買ロジックの見直しを継続的に行ってもらえる可能性が高いでしょう。
ツールを比較するときは、複数のツールを並べて収益率や最大ドローダウン、勝率、バックテストやフォワードテストの期間・成果などを一覧表にまとめると、各ツールの特徴がよりわかりやすくなります。
初心者におすすめの自動売買ツール

インヴァスト証券の「トライオートFX」は、あらかじめ用意されたトレードルールを選ぶだけで、自動売買によるFX取引をすぐに始められるサービスです。セレクトコースでは、金融ストラテジストや人気ブロガーが考案したルールに加え、実際にトライオートFXユーザーが実際に稼働させているトレードルールも利用できます。
さらに、複数の通貨ペアに分散投資を行うファンド機能も備えているため、どの通貨ペアで分散投資をすればわからない場合でも、ファンドを選択するだけで分散投資ができます。これらの特徴から、トライオートFXはFX初心者にとって始めやすい自動売買と言えるでしょう。
【取引概要】
取扱通貨ペア | 23種類 |
取引単位 | 1,000通貨(南アフリカランド/円、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは10,000通貨単位) |
売買手数料 | 0円 |
口座開設・管理費 | 0円 |
最低入金額 | 特になし |
まとめ
FX自動売買は、設定したルールに基づいて機械が自動で取引を行うため、忙しい人でも24時間取引チャンスを逃さずにトレードが可能で、感情的なミスを減らせる点がメリットです。一方、急激な相場変動やサーバー障害への対応が難しいうえ、コストが高く利益率に影響を与える可能性があるなどのデメリットがあります。
ただし、トレードルールを選んで始められるタイプもあるため、初心者におすすめのトレード手法と言えます。初心者は基本的なFX知識や資金管理を習得し、実績あるツールを選んで長期運用を心がけるとよいでしょう。定期的な見直しや損切り設定の徹底など、リスク対策を怠らない姿勢も不可欠です。
FX自動売買を始めたい方は、インヴァスト証券の「トライオートFX」をご検討ください。トライオートFXは、多くの通貨ペアが1,000通過単位と少額から取引が可能で、金融ストラテジストや人気ブロガーが考案したルールも利用可能です。