信用取引とFXの違いとは?投資初心者が知っておくべき基礎知識

信用取引とFXの違いはどちらもレバレッジを活用して自己資金以上の取引を行うことができるという共通点がありますが、投資対象、取引時間、コスト、リスクなど、多くの点で異なります。この記事では、投資初心者の皆さんがそれぞれの違いを分かりやすく理解できるよう、基本的な知識から丁寧に解説していきます。

信用取引(株式信用取引)とは?

信用取引とは、証券会社に現金や株券などの担保を預け、その担保の範囲内で資金や株券を借りて株式の売買を行う取引のことです 。現物取引のように手元資金がなくても、証券会社から資金を借りて株式を購入する「信用買い」や、保有していない株券を借りて売却し、後日買い戻して返済する「信用売り」が可能です 。これにより、相場が上昇すると予想される場合は信用買いで利益を狙い、下落すると予想される場合は信用売りで利益を狙うことができます。  

信用取引の大きな特徴の一つがレバレッジです。日本の証券会社では、一般的に預けた担保の評価額の約3.3倍までの取引が可能となっています 。ただし、米国株の信用取引など、市場や銘柄によってレバレッジ倍率が異なる場合もあります 。このレバレッジを活用することで、自己資金が少なくても大きな金額の取引が可能となり、効率的な投資が期待できます。  

信用取引を行う際には、取引金額に対して一定の割合の委託保証金と、最低保証金額を証券会社に預ける必要があります 。この保証金は現金だけでなく、保有している株式などの有価証券で代用することも可能です 。  

信用取引の取引時間は、原則として株式市場が開いている時間に限られます。例えば、東京証券取引所の場合、平日の午前9時から午後3時30分までが取引時間です 。  

FX(外国為替証拠金取引)とは?

FX(外国為替証拠金取引)とは、異なる国の通貨を売買し、その為替レートの変動を利用して利益を狙う取引のことです 。例えば、米ドルと日本円の通貨ペア(USD/JPY)を取引する場合、米ドルを買って日本円を売る、あるいはその逆の取引を行います。FX取引は「差金決済」という方式で行われ、実際に現物の通貨を受け渡すのではなく、売買によって生じた差額のみを受け渡します 。  

FXの大きな魅力の一つは、高いレバレッジを利用できることです。日本の個人投資家の場合は、最大で25倍までのレバレッジをかけることができます 。これにより、少ない資金でも大きな取引が可能となり、高い収益を狙うことができます。  

FX取引を始めるために必要な証拠金は、レバレッジと取引量によって計算されます 。FX会社によっては、数千円程度の少額から取引を開始できる場合もあります 。  

FX取引は、原則として月曜日の早朝から土曜日の早朝まで、ほぼ24時間取引が可能です 。これは、世界の各市場(東京、ロンドン、ニューヨークなど)が時間差で開いているためです 。  

信用取引とFXの違い

投資対象の違い

信用取引の主な投資対象は、証券取引所に上場している企業の株式です 。株式投資は、企業の成長や業績によって株価が変動するため、その値上がり益を狙うのが一般的です。  

一方、FXの投資対象は、米ドル、ユーロ、円、ポンドなどの各国の通貨です 。これらの通貨は、常に異なる通貨とペアで取引され、その相対的な価値の変動によって利益を得ることを目指します。FX会社によって取引できる通貨ペアの種類は異なります 。  

レバレッジの違い

信用取引のレバレッジは、一般的に最大で約3.3倍です 。これは、預けた担保の価値に対して、最大でその3.3倍の金額の取引ができるという意味です。  

FXのレバレッジは、日本の個人投資家の場合、最大で25倍までとなっています 。このように、FXは信用取引に比べて非常に高いレバレッジをかけることが可能です。この大きな違いが、両者のリスクとリターンの特性に大きく影響します。  

取引時間の違い

信用取引の取引時間は、株式市場の取引時間に限定されます 。通常、平日の日中のみ取引が可能で、夜間や土日祝日は取引できません。  

一方、FX取引は、平日のほぼ24時間取引することができます 。これは、世界各地の外国為替市場が時間差で開いているため、常にどこかの市場で取引が行われているからです。このため、FXは日中忙しい方でも、自分のライフスタイルに合わせて取引しやすいというメリットがあります。  

取引コストの違い

信用取引では、株式の売買手数料に加えて、証券会社から資金を借りるための金利(買方金利)、株券を借りるための貸株料(売方貸株料)、その他に管理費や権利処理手数料などがかかる場合があります 。手数料体系は証券会社によって異なり、定額制や約定金額に応じた手数料などがあります。  

FX取引では、一般的に取引手数料は無料であることが多いです 。主なコストとなるのは「スプレッド」と呼ばれる、通貨ペアの買値と売値の差です 。また、ポジションを翌日に持ち越す場合には、「スワップポイント」と呼ばれる金利差調整金が発生します 。スワップポイントは、通貨ペアの金利差によって受け取れる場合と支払う場合があります。  

利益の機会の違い

信用取引の主な利益の機会は、株式の値上がり益(または値下がり益)です 。信用買いの場合、購入した株価が上昇すれば、売却益が得られます。信用売りの場合は、売却した株価よりも安く買い戻せれば、その差額が利益となります。また、信用買いで株式を保有している場合、配当金を受け取れる権利が発生することがありますが、信用売りの場合は逆に配当金相当額を支払う必要があります 。  

FX取引では、為替レートの変動による値上がり益(または値下がり益)が主な利益の機会です 。さらに、FXではスワップポイントという利益の機会もあります 。これは、取引する通貨ペアの金利差によって発生するもので、金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売るポジションを保有していると、毎日スワップポイントを受け取ることができます。  

リスクの違い

信用取引は、レバレッジをかけることで大きな利益を期待できる反面、損失も拡大する可能性があります 。株価が予想と反対の方向に変動した場合、預けた保証金以上の損失が発生するリスクがあります。また、保証金の維持率が一定水準を下回った場合には、追加で保証金(追証)を差し入れる必要が生じます 。信用取引には決済期限がある場合もあり 、期限までに決済しないと証券会社によって強制的に決済されることもあります。また、市場の状況によっては、特定の銘柄に対して取引規制が設けられることもあります 。  

FX取引も同様に、高いレバレッジを利用することで大きな損失を被るリスクがあります 。為替レートは、各国の経済状況や政治情勢、金融政策など、様々な要因によって大きく変動するため、予測が難しい場合があります 。FX取引では、株価のような値幅制限がないため 、短時間で大きな損失が発生する可能性も考慮しておく必要があります。

表で比較

項目信用取引FX
投資対象上場企業の株式各国の通貨
レバレッジ一般的に最大約3.3倍一般的に最大25倍
取引時間株式市場の取引時間内(例:平日日中)ほぼ24時間(平日)
主なコスト委託手数料、金利、貸株料などスプレッド、スワップポイント
利益機会値上がり益、配当金値上がり益、スワップポイント
主なリスクレバレッジ、追証、決済期限高レバレッジ、市場変動

どちらが自分に合っている?初心者へのアドバイス

信用取引とFXのどちらが自分に合っているかは、個人の投資目標、リスク許容度、投資経験、そして興味のある市場によって異なります。

特定の企業に投資したい、比較的低いレバレッジで取引したい、株式市場の取引時間に合わせて取引したいという方には、信用取引が向いているかもしれません。

一方、世界の経済情勢に関心があり、高いレバレッジを活用して積極的に利益を狙いたい、日中忙しく夜間や早朝に取引したいという方には、FXが適している可能性があります。また、FXは比較的少ない資金から始めやすいというメリットもあります 。  

どちらの取引を選ぶにしても、まずはしっかりと基礎知識を学び、リスクを十分に理解することが重要です。少額の資金から取引を始めたり、デモ口座で取引を練習したりするのも良いでしょう 。  

信用取引とFX、それぞれの特徴を理解して投資を始めよう

この記事では、信用取引とFXの主な違いについて解説しました。どちらもレバレッジを活用した魅力的な投資方法ですが、投資対象、レバレッジ、取引時間、コスト、リスクなど、多くの点で異なることがお分かりいただけたかと思います。ご自身の投資スタイルや目標に合わせて、より適した方を選択し、慎重に投資を始めることが大切です。

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