
移動平均線とは、一定期間の価格の平均線を結んだ線のことで、売買シグナルやトレンド把握がしやすいという特徴があります。この記事では移動平均線の種類の他、移動平均線の見方やトレードへの活用方法および注意点について解説しています。FX初心者や、チャート分析をこれから勉強したいという人は、ぜひ最後までお読みください。
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移動平均線とは
移動平均線とは過去の一定期間の価格の平均値を結んだ線のことです。起点となる日から価格を毎日計算することから、平均値も毎日移動するため、移動平均と言われます。上昇トレンドなら上向き、下降トレンドなら下向きのようにトレンドの把握が容易であり、FXにおいて代表的なテクニカル指標の1つと言えるでしょう。
移動平均線の種類
移動平均線は一般的には単純移動平均線を指しますが、移動平均線にはいくつか種類があります。ここでは各移動平均線の種類と、その概要について紹介します。
単純移動平均線(SMA)
過去一定期間の価格(ローソク足の終値)の平均値を結んだ線のことです。
【単純移動平均線(SMA)の計算方法】
1日目 | 130円 |
2日目 | 135円 |
3日目 | 140円 |
4日目 | 141円 |
5日目 | 138円 |
(130円+135円+140円+141円+138円)÷5=136.8円
単純移動平均線は一定期間の価格の平均値を結んだものであるため、仕組みがシンプルな反面、急に相場が動いたときは過去の価格の影響が大きくなりがちで、直近価格に追随できないことがあるというデメリットがあります。
指数平滑移動平均線(EMA)
分子に直近の価格を加算して計算した移動平均線です。最近の価格をより強く反映することができます。
【指数平滑移動平均線(EMA)の計算方法】
1日目 | 130円 |
2日目 | 135円 |
3日目 | 140円 |
4日目 | 141円 |
5日目 | 138円+138円 |
(130円+135円+140円+141円+138円+138円)÷6=137円
直近の価格の比重を高めるため、相場の急変に対する反応が単純移動平均線よりも早い傾向がありますが、反応が早い分、だましに合いやすいというデメリットがあります。
加重移動平均線(WMA)
新しい価格ほど比重が大きくなるように計算した移動平均線です。最近の価格を指数平滑移動平均線より、さらに強く反映することができます。
【加重移動平均線(WMA)の計算方法】
1日目 | 130円 |
2日目 | 135円 |
3日目 | 140円 |
4日目 | 141円 |
5日目 | 138円 |
(130円×1+135円×2+140円×3+141円×4+138円×5)÷(1+2+3+4+5)≒138円
指数平滑移動平均線よりもさらに、相場に急変に対する反応が早い点はメリットですが、やはり、だましに合いやすい点がデメリットです。
移動平均線の見方
移動平均線を利用することで、現在のトレンドや、売買シグナルを見つけることができます。ここでは主な移動平均線の見方を4つ紹介します。
トレンド・レンジ相場
移動平均線が上向き、または、ローソク足チャートのローソクよりも上にあるときは上昇トレンド、一方、移動平均線が下向き、または、ローソク足チャートの下にあるときは下降トレンドと考えられます。また移動平均線の角度が急であるほどトレンドが強いことを表します。
移動平均線が横ばいの場合は、売りと買いが拮抗している状態です。この場合、一定の価格帯で上がったり下がったりを繰り返すレンジ相場と考えられ、移動平均線とローソク足が絡み合うような位置関係になります。
関連記事:トレンド相場とは?レンジ相場との見分け方や取引手法を解説
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ゴールデンクロス
期間が短い移動平均線が、期間の長い移動平均線を下から上に抜けた状態をゴールデンクロスと言い、買いシグナルを表します。
例えば5日移動平均線と、75日移動平均線があったとすると、75日の方が期間の長い移動平均線にあたります。
そのため、この場合は5日移動平均線が、75日移動平均線を下から上に抜けるとゴールデンクロスとなります。
デッドクロス
期間が短い移動平均線が、期間の長い移動平均線を上から下に抜けた状態をデッドクロスと言い、売りシグナルを表します。
この場合は5日移動平均線と、75日移動平均線を使っていたとすると、5日移動平均線が、75日移動平均線を上から下に抜けるとデッドクロスになります。
乖離率
現在の価格から移動平均線がどれくらい離れているか(乖離しているか)パーセンテージで表したものを乖離率と言います。移動平均線が現在の価格から上に離れすぎると、乖離率はプラスになり、売りサイン、移動平均線が現在の価格から下に離れすぎると、乖離率はマイナスとなり、買いサインを示します。
乖離率は以下の計算式で計算をします。
((終値―移動平均値)÷移動平均値)×100
【計算例】
終値が150円、移動平均線の価格が140円の場合、
((150円-140円)÷140)×100≒7.1%
終値が140円、移動平均線の価格が150円の場合、
((140円-150円)÷150)×100≒▲6.7%
実際に売りサイン、買いサインを判断する際の乖離率の目安は、±3.0%が目安と言われています。
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移動平均線を活用した「グランビルの法則」
グランビルの法則とは、アメリカのアナリストであるジョセフ・E・グランビル氏が考案した理論で、移動平均線と為替レートの位置関係が示唆する8つのエントリーポイントのことです。
グランビルの法則によると、売りポイントと買いポイントは以下の通りとなります。
【売りポイント】
- 移動平均線が上向きから、横向きまたは下向きに変化したときに、価格が上から下に抜けたとき
- 移動平均線が下向きの場面で、価格が上に抜けたとき
- 移動平均線が下向きの場面で、価格が上昇し、移動平均線を上に抜けずに再度反落したとき
- 移動平均線が上向きでの場面で、価格が移動平均線の上に大きく乖離したとき
【買いポイント】
- 移動平均線が下向きから、横向きまたは上向きに変化したときに、価格が上から下に抜けたとき
- 移動平均線が上向きの場面で、価格が下に抜けた後に再度上抜けしたとき
- 移動平均線が上向きの場面で、価格が上昇し、移動平均線を下に抜けずに再度反発したとき
- 移動平均線が下向きの場面で、レートが下に離れて反発したとき
移動平均線の期間設定
一般的にFXでよく使われる移動平均線の種類(期間)とおすすめのトレード手法の関係についてまとめてみました。
主にFXでよく使われる移動平均線の種類(期間)は以下の通りです。
【移動平均線の種類】
移動平均線の種類 | |
短期 | 5日移動平均線 10日移動平均線 14日移動平均線 15日移動平均線 20日移動平均線 21日移動平均線 |
中期 | 50日移動平均線 60日移動平均線 75日移動平均線 |
長期 | 100日移動平均線 200日移動平均線 |
またFXでは、秒・分単位で売買を繰り返すスキャルピングや、数週間単位でポジションを保有するスイングトレード等、様々なトレード手法があり、活用すべき移動平均線の種類(期間)が異なります。以下はあくまでも目安ですが参考にしてください。
【トレード手法別 移動平均線の期間設定の目安】
トレード手法 | 移動平均線(短期) | 移動平均線(長期) |
スキャルピング | 5日 | 20日 |
デイトレード | 5~21日 | 50~75日 |
スイングトレード・長期トレード | 5~21日 | 50~200日 |
移動平均線を活用する際の注意点
移動平均線が示すゴールデンクロスやデッドクロスは、比較的良くでてくる売買シグナルですが、だましも多い傾向がある点には注意が必要です。また指数平滑移動平均線(EMA)や、加重移動平均線(WMA) は比較的早く相場の急変をとらえますが、だましに合いやすいという特徴があります。
だましとは、テクニカル指標等が示す売りシグナルや買いシグナルとは異なる値動きを示す現象のことを指します。だましを100%回避することはできません。そのため他のテクニカル指標も組み合わせて、売買のシグナルを確認すると良いでしょう。
まとめ
移動平均線は、売買シグナルやトレンド把握がしやすいため、FX初心者でも理解しやすいテクニカル指標です。ただし、だましに合うこともあるため、売買シグナルは他のテクニカル指標も組み合わせて判断する必要があります。
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