
短期の相場見通し
S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは5,800とします。
11月5日は大統領選挙の本投票日です。今回の選挙は大接戦でありどちらの候補が勝ってもおかしくありません。選挙の結果を巡って世論が紛糾する可能性があります。従って不透明感は開票結果が判明した後も続く懸念があります。
このため11月の米国株は前半軟調、後半に戻すと予想します。
なお11月後半から12月にかけて例年マーケットは堅調であることが知られており今年もそのパターンを踏襲すると考えられます。
米国経済の現況
10月30日に発表された第3四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.8%でした。これは第2四半期の実績+3.0%から少し減速しているものの立派な数字と言えます。過去2年間を平均すると2.95%で成長しており安定感があります。
一方9月の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.4%であり連邦準備制度理事会(FRB)がターゲットにしている2.0%にだいぶ近づいてきています。
つまり景気面でも物価面でも米国経済は概ね満足の行く展開になっているということです。
企業業績
いま第3四半期の決算発表シーズンの真っ只中で、10月25日までにS&P500指数採用企業の37%が決算発表を終え、EPSでは79%の企業が、売上高では59%の企業がアナリストの事前コンセンサス予想を上回りました。
売上面でのパフォーマンスは平年よりやや悪いです。
工業、ヘルスケア、エネルギー分野の企業が苦戦しています。
ハイテクは概ね予想を上回る決算を出しています。とりわけ大手ハイテク企業の決算は高水準のAI関連設備投資が維持されるかどうかを占う上で注目されていました。
その点、決算自体は事前予想をクリアしました。しかし投資家は過剰なAI投資に神経を尖らせています。なぜなら償却負担増が今後の利益を圧迫するからです。 大手ハイテクの株価が下降線を辿ればそれらの経営陣はいずれAI投資を絞り込む決断をすると思われます。それが半導体などAI投資で恩恵を被る銘柄にとっての大きなリスクです。
注目CFD
冒頭で書いたように今月は前半マーケットが安く後半は逆に切り返すと予想します。したがって米国D30(NYダウ)、米国NQ100(ナスダック100)、米国S500(S&P500)、米国R2000(ラッセル2000)、日本225(日経225)は先ずショートから入り、11月15日頃に「どてん」し、ロングするシナリオを考えています。