今日の裏読み、表読み(2023/08/25)

昨晩も米長期金利の高止まりや軟調な株価を受けて、ドル買いが優勢となった。
 本日は、カンザスシティー連銀主催・国際経済シンポジウムにおけるパウエルFRB議長の発言が最大の焦点となる。特に7月の米CPIは、比較的落ち着いた結果となっており、その面では、インフレに関して楽観的に見方が見えるか注目されるが、ただ、9月のFOMCの発表を前に、8月のCPIの発表を控えており、具体的な発言は控える可能性もありそう。その場合市場が既に、自然利子率の上昇などタカ派のスタンスが示されるとの見方が織り込まれているだけに、直近のドル相場や米長期金利の上昇に、巻き戻しの動きが出る可能性は留意しておいた方が良いだろう。
 ジャクソンホール会議を控えて、指標に対する反応は限られそうだが、本日の経済指標としては、英8月GFK消費者信頼感調査、日本の8月東京都区部物価指数と7月企業向けサービス価格指数、独第2四半期GDP・改定値と8月ifo企業景況感指数、仏7月失業者数、メキシコ第2四半期GDP、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値などが発表される。
 注目としては、日本の8月東京都区部物価指数と7月企業向けサービス価格指数は、強い結果見えると一時的な円買いが出易いが、ただ、日銀のスタンスに変更の兆候は見えず、影響は限られそう。また独第2四半期GDP・改定値と8月ifo企業景況感指数は、強弱次第も、弱い結果がリスク。一方米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は、速報からの変化が焦点となるが、インフレ見通しなどが引き上げられた場合、米長期金利の押し上げにつながるか注目したい。
 その他 ラガルドECB総裁の講演では、軟調気味なユーロ圏経済を背景に、ハト派的な意見が出るとユーロの売り要因。また、植田日銀総裁がジャクソンホール会議に参加する予定で、まだ未定だが、もし何か発言機会があった場合、引き続き強い緩和姿勢が同氏から示された場合、大きな円売りの材料にされるリスクが残っている。ただ、これはあくまで憶測の範囲だが、直近のガソリン価格に上昇や円安に対する批判が高まっており、前回会合でのYCCの上限サプライズ的に9月の日銀会合での政策変更などに言及したい場合、逆に大きな円高リスクとなることも注目したい。

 戦略としては、ドル円は、146.56で上値が押さえられて、144.54まで調整もこれを維持して、145.96まで再反発。上値追いは出来ず、早期は146.40-56ゾーンをストップに、慎重に売り場探しとなる。ターゲットは、145.67が維持されると利食い、割れても145円ミドルの維持では利食いや買い狙いも、この買いは145円前後、144円後半まで買い下がりとなる。このストップは144.54や144.39を割れるなら止めて、再度買い直し場を探すが、このストップは、144円割れまたは、143.20割れとするなら買い下がりでの対応となる。
 ユーロドルは、下値を1.0803で維持するも、1.0877で反発が押さえられて再下落。若干不透明で、買いは1.0803-05の維持を確認する必要があるが、思い切るなら1.0733をストップに、買い下がりの余裕を持って対応。ターゲットは、1.0877が押さえると利食いで、売りもこれをストップ。また超えるケースでは、順張りも検討されるが、1.09031-35を前に利食いやこれをストップに売り狙い。また超えても1.0953-60、1.1005や1.1065をストップに、順次売場探しとなる。ただ、こういった反発では、その直前の安値が維持されると利食い優先となる。
 ポンドドルは、1.2592まで下値を拡大。ただ、突っ込み売りは避けたい。早期はこれが維持されると買いも、ストップは1.2550割れなどで対応したい。ターゲットは、1.2660-00-が押さえると利食いや売り狙い。ストップは1.2734や1.2765越え。更に超えても1.2800-18、1.2885をストップに売り狙い。売りのターゲットは、その直前の安値が維持されると利食い優先となる。
 一方クロス円は、高値からの調整も23日の安値が支える形。押し目ではこれをストップに買い狙いで、ターゲットは昨日の戻り高値が押さえると利食いや売り狙い。超えてもユーロ円やポンド円は、22日の高値をストップに売り狙い。オージー円やNZD円は、15-10日の高値をストップに売り場を探しながら、利が乗ればしっかりと利食いながら対応したい。